BUSINESS & JOBプロジェクトストーリー

PROJECT STORY

世界における日本企業の競争力を高めていくために
クライアントと共に大胆な変革を実現していく
その最前線をご紹介します

将来の事業環境を見越した
攻めの戦略を立案

PROJECT #事業戦略

As Is

将来性のある事業構造に向けた抜本的な全社改革の遅れ

ある大手機械メーカーにおいては、ドル箱と言われたビジネスモデルが成熟期を迎え、業界全体の価格下落の波が加速度的に訪れていました。
業界内では「まだ大丈夫ではないか」との楽観説が漂う一方、将来を危惧する当時のクライアントの経営陣から、外部の客観的な視点から複数シナリオでの将来ビジネスシミュレーションの依頼を受けました。
その結果、現状のまま推移すると、数年後には大規模な赤字が予見されるに至りました。危機感を覚えたクライアントの経営陣からは、早急な対策が必要であると認識されたものの、社内からは変革の波を起こしきれないため、自力での抜本的な構造改革が困難な状況との認識が示されました。

Our Action

既存事業の構造改革と新規事業の立ち上げを同時並行で実行する短期リバイバルプランの立案

2年以内で利益の創出が可能で且つ実現可能なリバイバルプランとして、①既存ビジネスにおける粗利改善、②固定費構造の再構築、③新規ビジネスの垂直立上げによる早期利益獲得、の3本柱の施策を立案し、それぞれをプロジェクト化し、即座に実行に移していきました。
特に、①既存ビジネスの粗利改善では、まずは営業部門における過剰な値引やリベートにメスを入れる『販売費の活き金化』を実行、早期の利益確保を実現。またカスタマーサポート部門における過剰な部品交換を抑制するために、機械学習による最適な交換時期予測を取り入れ、原価低減を実現しました。
さらに、②固定費構造の再構築では、抜本的な間接部門の効率化・スリム化、組織階層のフラット化を通じて、より軽量な組織を実現しました。加えて、業務フローもゼロベースで見直し、より無駄の少ない業務プロセスへの移行を行いました。

Our Solution

競合他社の低迷に反してクライアント企業は利益創出に成功

2年後、業界全体の収益構造が地盤沈下し競合他社が赤字決算に陥る中、クライアント企業では利益の創出が実現できました。
複層的に利益改善施策を実行したことが奏功し、新たな領域での潜在的な課題も発見され、改善の相乗効果が生まれてきたことも大きな勝因となっていきました。当初は抵抗していた社内勢力も、目に見えた成果が生まれてくる中で「よし自分たちもやってみよう」との機運が高まり、社内モメンタムが好転していくことで変革スピードも加速していきました。
利益創出が実現できたことで、新規事業投資やシステム投資等が可能となり、将来的な利益創出への仕込みを図ることができ、現在の企業成長につながっています。

複雑化する
グローバル経営の課題に
理想論ではなく、
現実的な“解”を示す

PROJECT #経営管理

As Is

経営陣に対して必要な情報を届けられていない管理会計

ある大手住宅設備メーカーにおいては、積極的な海外展開・M&Aを実施、数年でグローバルでトップレベルの規模に急拡大を果たすことに成功していました。一方で、その急拡大に体制面が追いつかず、グループの業績管理は、各拠点からの経営情報をExcelベースで集計する昔ながらのスタイルのままでした。情報の内容についても集計後の利益情報のみであったため、業績の良し悪しは把握できても、なぜ悪いか・どこが悪いか等、本社では詳細な分析が不可能でした。従って、経営判断・意思決定のために必要な情報を適切なタイミング・粒度で経営陣に届けられないことが課題となっていました。

Our Action

経営陣が求めるデータの提供が可能なシステムのあり方を徹底的に検討

当時のグループ業績管理システムは、データの「量」「精度」「信頼性」「即時性」のすべてに課題があり、従来の業績管理システムをそのまま踏襲する形でのシステムの刷新では、本質的な課題の解決には至らず、ほどなくこれまでと同様の問題が発生してしまうことが懸念されました。
そこで、経営陣がどのような意思決定プロセスを行っているのか、それに対してどのようなデータを必要にしているのかについて検討するところからプロジェクトをスタート、幾度にもわたる徹底的な議論の末、意思決定の場面とそれに必要なデータを明確にしました。
次に、いかなる戦略の下であろうと、メーカーとして不変な3つの主軸(製品・地域・機能)をベースとしたさまざまなデータを、各拠点のシステム間でシームレスな連携で自動収集することができる、データの鮮度を重視した新しいグループ業績管理システムの構築を提案し、受け入れていただきました。

Our Solution

各グループ会社をリアルタイムでつなぐ新業績管理システムを導入

しかし現実には、各拠点のシステムと連携し必要な情報を収集してくることは困難を極めました。M&Aやビジネス急拡大の影響もあり、各拠点で導入されていたシステムは、勘定科目もバラバラで定義も一律でなく、個別のシステムが独自の成長を遂げているような状況でした。
加えて、データの精度と即時性はトレードオフの関係にある中で、精度と即時性の最適なバランスをどの程度に置くかは、極めて重要なテーマとなりました。
これらのテーマに対して、システム面については、各拠点から集計後のデータのみならずデータの明細をも連携させることでデータの量・粒度に加え、信頼性も最高レベルで担保する形でシステムを構築しました。また、データの精度と即時性のテーマについては、変化が激しいこの時代においては即時性こそが最重要であると考え、精度は80点で十分とし即時性を優先させる方針に着地させることとしました。
このような結果、経営陣からの要請に対してほぼリアルタイムで経営データを提供することが可能になり、経営の意思決定サイクルの迅速化に大きく寄与することができました。

グループ各社の情報を
横断的につなげ
戦略的な意思決定ができる
体制を構築

PROJECT #SCM

As Is

個別製品ごとの原価構造が把握できていない

ある大手半導体メーカーは世界各地に製造子会社を持ち、さまざまな製品をグループ各社を跨って生産していました。
複数会社を跨って生産していることもあり、各社の原価を連携して把握することができておらず、個別製品ごとの収益性が判断できない状況でした。
また、製造子会社も買収による子会社化が多かったため、原価に対する考え方や原価把握のためのシステムインフラが個社ごとに固有であったので、グループとして統一された原価計算が困難でした。
このような事情もあり、経営陣がさまざまな意思決定を行うためのデータ分析やレポート作成は人手に頼った運用になっており、時間と労力が大幅に必要とされる状況でした。

Our Action

グローバル且つ複数会社横断で原価管理するための情報管理の在り方を検討

グローバル且つ複数会社を横断して原価情報を管理するにあたり次の4点を重視して議論を推進しました。

①グローバル統一基準の設定によるガバナンスの確立
・原価管理の活用目的や活用局面・方法の統一
・原価費目や計算方法等の統一

②実際原価の活用
・各拠点における実際原価の原価低減活動への活用
・標準原価の目標原価化

③連結原価の必要性
・生産・調達・販売のグローバル化
・国ごとに大きく異なるコスト構造
・生産販売の最適地決定のためのコスト情報の把握

④活動原価計算(ABC)の必要性
・増大する製造間接費・販管費
・実態を表さない単一的な配賦

Our Solution

原価基準の統一および原価情報の共有とそれを実現するためのインフラの構築

グループ各社横断的に原価基準および原価計算システムを統一し、利益の源泉となる個別製品ごとの原価構造を明らかにすることで、戦略的な意思決定を行うことができる体制をゴールに設定しました。
具体的には、統一基準の単体原価計算・損益管理の実現、一気通貫の連結原価計算・損益管理を実現するための新しい原価計算システムをグローバルすべての製造拠点に展開しました。
原価基準の統一に加えて、複数会社を横断して原価情報を流通させることに重きを置くこととし、どの会社の、どの工程の、どの材料・部品に改善の余地があるのかについて分析できる体制を構築することができました。

ビジネスモデル改革の
推進に向けた
新たな人財マネジメント基盤を構築

PROJECT #HR

As Is

全体最適での人財マネジメントの実現に必要なデータが散在

複数の事業領域を抱えるある大手重工業メーカーにおいては、事業ポートフォリオの転換、ビジネスモデル改革を進める上で、成熟分野から成長分野への大胆な人財シフト・流動化の加速、および、グループ全体を見通した人財探索と戦略的・計画的な人材育成が求められていました。
しかし、従業員に関する情報は、事業別組織ごと・業務ごとで個別に管理されており、グループ内の人財配置に際しては、事業領域を超えてグループ内で最適な適任者を探すことが、困難であったり非効率であったりする状況でした。
また、従業員一人ひとりの自律・成長への挑戦を支援していくとのビジョンを掲げたものの、評価制度や処遇制度等は旧態依然としたままで、人財マネジメントも従来の方法をそのまま踏襲するのみでした。

Our Action

変革支援人事へ変貌した上で、経路依存性を絶つ人事変革プランの必要性

事業を推進する「変革支援型人事」として、部門の壁を越えて人財の最適配置を実現化するために次の4つの観点から制度・業務の再設計、システムインフラの導入を目指しました。
①従業員の能力、過去の経歴、期待値等を可視化し必要人財をグループ全社から探索するための人財データの一元化
②これまでの親会社から子会社への一方向のみの異動から、双方向移動へ変革するための基盤整備(グループ各社共通のグレード制の導入等)
③従業員の自律的なキャリア形成とスキル開発機会の提供(キャリアチャレンジ制度、ラーニングマネジメントの高度化等)
④目標設定制度の再精緻化(個人目標の連動)

Our Solution

個の自律を促進するタレントマネジメントシステムを中心に、適所適材が加速

複数の事業領域ごとに個別で進行している人事諸施策とは別に、一度立ち止まって、今後の人事が向かうべき姿を包括的に検討し、打つべき施策・優先順位付けを行って「人事変革プラン」として取り纏めを行いました。まず、これまでの「管理型人事」から「変革支援型人事」に変貌するという人事自体のミッションの議論・再定義を行いました。人事自体が変革に立ち向かう態勢も整えた上で、全社視点で人事制度・プロセス変革、人財管理システム再構築の両面で企画から実行までを一気通貫で推進。中でも、グループ人財情報を一元管理し、リアルタイムで人財情報の取得・見える化を目指した「グループタレントマネジメントシステム」の導入・活用を目玉施策とし、グループ経営視点での新たな人財マネジメント基盤の構築を行いました。
今では全体最適の観点からの戦略的・流動的な人財配置が実現され、今後の成長が期待されています。

ビジネスモデルから
システムインフラまで
デジタルの観点から
妥協なく短期間で完遂

PROJECT #DX

As Is

事業特性を活用し訴求力のある電力小売事業を短期間で立ち上げられるか?

ある交通インフラ企業では、電力小売自由化の流れを受け、家庭向け電力小売事業への参入を決定したものの、自由化に関する制度の詳細が十分に決まっていなかったこともあり事業化への道筋が難航、事業の開始までに残された期間はわずか15か月という状況でした。
残り少ない期間の中で、新会社の立ち上げのみならず、営業部門やカスタマーサポートセンター等の組織の設計や、新会社におけるさまざまな制度設計、電力小売事業を支えるためのシステムインフラの構築等、多くの課題を抱えていました。
特に、システムインフラの構築は従来までクライアントとの関係性が深かった外資系ベンダーに委託していたものの、電力市場や日本の商習慣への理解が乏しかったことから当初から遅れが発生していました。
加えて、さまざまな業界から多くの企業がこの新しい電力小売市場への参入表明が相次ぎ、差別化が難しい電力小売市場でいかにして傑出した存在になるかについても検討が不十分でした。

Our Action

与件にこだわらずゼロベースでアプローチ

自由化解禁日にあわせてサービスを開始することが必須であるにも関わらず、進捗状況が著しく悪く残された期日も少なかったことから、クライアントからの与件をそのまま織り込むのではなくゼロベースで事業モデル設計、業務設計、システム設計を行うこととしました。
前例のない中、まずクライアントのグループ会社全体との連携を踏まえた販売手法や販売チャネルの開拓、商材のバンドルの組み合わせ、料金体系等の検討から着手し、業務プロセスの設計、ユースケースやデータモデルの設計等を進めました。
ボトルネックとなっていたのがシステムインフラの遅れであり、そのまま外資系ベンダーで構築を進めると期日までにサービス開始が困難であると予想されたため、リスクがありながらもベンダーの切り替えも辞さない覚悟でクライアントと議論を重ねました。

Our Solution

当事者意識を持って本気で直談判して既定路線を転換、新事業を成功に導く

ボトルネックとなっていたシステムインフラについて、クライアントの経営陣に対してその問題点やリスクを本気で伝えることにより、最終的には経営陣から理解を得て、システム構築を国内ベンダーへ切り替えていただくことに同意していただきました。
その結果、大量の事前申し込みデータの処理も無事対応を完了させることができ、期日通りにサービスをスタートすることができました。
開発ベンダーの選定やベンダー切り替え対応をはじめ、危機管理を含めたプロジェクトマネジメントについてクライアントからは大変ご評価をいただきました。クライアントの実現したいことや思いを真摯に受け止め、新しい事業という形に仕上げるビジネスパートナーとしてクライアントに寄り添うことができました。
事業開始後もクライアントと二人三脚でトラブル対応やさまざまな取り組みを推進し、当初計画より早いスピードで事業目標も達成することができました。

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